GO FOR KOGEI 2023
物質的想像力と物語の縁起―マテリアル、データ、ファンタジー
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コムロタカヒロ《Dog Fragon》2023年 木に彩色 作家蔵 展示風景「GO FOR KOGEI 2023」(桝田酒造店 満寿泉、2023年)Photo: Watanabe Osamu久保寛子《Mountain Dogs》2023年 鉄、プラスチックメッシュ 個人蔵 展示風景「GO FOR KOGEI 2023」(富岩運河環水公園、2023年)Photo: Watanabe Osamu川井雄仁《Sweet 39 Blues》2023年 ミクストメディア 作家蔵 展示風景「GO FOR KOGEI 2023」(樂翠亭美術館、2023年)Photo: Watanabe Osamu上田バロン《夢幻の星屑》2023年 アルミ蒸着シート、インク、PVCシート、アルミ複合板 作家蔵 展示風景「GO FOR KOGEI 2023」(中島閘門 広場、2023年)Photo: Watanabe Osamu渡邊義紘《折り葉の動物たち》2012-2022年 葉 作家蔵 展示風景「GO FOR KOGEI 2023」(中島閘門 操作室、2023年)Photo: Watanabe Osamu増田セバスチャン《Polychromatic Skin -Gender Tower- #北陸》2023年 ミクストメディア 作家蔵 展示風景「GO FOR KOGEI 2023」(電タク、2023年)Photo: Watanabe Osamu河部樹誠《首かり200余人》2022-2023年 油彩、アクリル、キャンバス、パネル、シナ合板、和紙、ベニヤ板 作家蔵 展示風景「GO FOR KOGEI 2023」(電タク、2023年)Photo: Watanabe Osamu葉山有樹《Ssangyong》2023年アルミ複合板 個人蔵 展示風景「GO FOR KOGEI 2023」(桝田酒造店 満寿泉、2023年)Photo: Watanabe Osamu平子雄一《Lost in Thought / Toyama》2023年 木製パネル、アクリル 作家蔵 展示風景「GO FOR KOGEI 2023」(桝田酒造店 満寿泉、2023年)Photo: Watanabe OsamuO33《Inner》2023年 羊腸 作家蔵 展示風景「GO FOR KOGEI 2023」(桝田酒造店 沙石、2023年)Photo: Watanabe OsamuGO FOR KOGEI 2023GO FOR KOGEI 2023は、それまで北陸三県に分散していた展覧会会場を集約することで、作品と展示場所、ひいては工芸をはじめとする「ものづくり」とそれを産出する土地との関係を、より強固なものとして明示しました。「水の都」とも呼ばれる富山市の、中心部から富山湾まで約5kmに亘る富岩運河を、船で辿りながら作品鑑賞できる3つのエリアを形成しました。そのテーマは、フランスの科学哲学者ガストン・バシュラール(1884–1962)の著書『水と夢:物質的想像力試論』から引用し、その中で言及される「物質的想像力」と「水」という概念を頼りに総勢26名のアーティストを紹介しました。また、国際的に活躍する研究者やキュレーターを招き、国際シンポジウム「『アートと工芸を巡る話』Supported by 三菱UFJフィナンシャル・グループ」を開催。歴史と土着性、個人のアイデンティティ、トランスナショナルなどをキーワードに挙げ、近年の工芸とアートの動向について議論を深めました。
[展覧会]物質的想像力と物語の縁起―マテリアル、データ、ファンタジー
展覧会タイトルの「物質的想像力」とは、フランスの科学哲学者、ガストン・バシュラール(1884-1962)の著書『水と夢: 物質的想像力試論』の中で物質(マテリアル)を詩学的な視点から論じる際に使われた用語です。人間の心理や文化における水の象徴的な意味を探求する哲学書である本著の中で、バシュラールは主観的認識から幻想性や独創性を取り上げ、多くの人々が深層で共有するイメージの問題として、物質をきっかけにする想像力について論じています。この「物質的想像力」という言葉をもとに、詩学としての芸術について、あるいは個の表現について考察していきます。
こういった視点が作品上で成り立つためには、作者の生の反映として作品を捉え、またその制作を個々の物語を紡ぐ行為として捉えていく必要があります。タイトルにある「縁起」とは、作者のそのような行為であり、それを突き動かす「何か」です。それはまったく個人的であると同時に世界的でもある、名状し難い「何ものか」なのです。
本展は、富山市の中心部から富山湾まで約5 kmに渡る富岩運河沿いにある3つのエリアを船で辿りながら鑑賞します。環水公園や美術館、閘門、伝統的な街並みなどで工芸、現代アート、アール・ブリュットを跨ぐアーティスト26名を紹介します。
水は多くの文化で生命、清浄さ、創造性、変容、無意識などの象徴として認識されています。「物質的想像力」と「水」という概念を頼りに作品を訪ね、内面と目前の外界と関わり、空想と現実の空間が象徴するさまざまな意味を感知する——この展覧会がそのための夢見る世界への扉となるでしょう。Artists板垣豊山、岩崎貴宏、上田バロン、O33、川井雄仁、川上建次、河部樹誠、オードリー・ガンビエ、金 理有、久保寛子、桑田卓郎、コムロタカヒロ、近藤高弘、桜井 旭、ささきなつみ、定村瑶子、長 恵、辻村 塊、野村由香、葉山有樹、平子雄一、古川流雄、増田セバスチャン、村山悟郎、横野明日香、渡邊義紘Overview- 会期 2023年 9月15日(金)‒10月29日(日)[45日間]
- 会場 富山県富山市 富岩運河沿い(環水公園エリア、中島閘門エリア、岩瀬エリア)
- 主催 認定NPO法人趣都金澤、独立行政法人日本芸術文化振興会、文化庁
- 共催 富山県、富山市、(公財)富山県文化振興財団
- 協力 富山県美術館、富山交通株式会社、酒商 田尻本店、北陸銀行岩瀬支店、樂翠亭美術館、株式会社桝田酒造店
- 連携 市場街、KOGEI Art Fair Kanazawa、ガラスフェスタ、KUTANism、千年未来工藝祭、富山市ガラス美術館、ブールバールエリアマネジメント富山、RENEW
- 後援 JR西日本、富山経済同友会、富山商工会議所
- 委託 令和5年度日本博2.0事業(委託型)
Team- 総合監修・キュレーター 秋元雄史(東京藝術大学名誉教授)
- プロデューサー 浦 淳(認定NPO法人趣都金澤 理事長)
- 共同キュレーター 高山健太郎(株式会社artness)
- 会場設計 周防貴之(株式会社SUO 一級建築士事務所)
- アートコーディネーター 金谷亜祐美(認定NPO法人金沢アートグミ)
- プロジェクトディレクター 薄井寛(株式会社ノエチカ)
- デザイン 羽田純(株式会社ROLE)
- 広報 星野優花(株式会社ノエチカ)
- 撮影 方野公寛(株式会社十月のオクトパス)、ニック・ヴァン・デル・ギーセン、渡邉修
- 動画 大谷内真郷
- 翻訳 ザッカリー・カプラン
- 事務局 株式会社ノエチカ
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