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日本海側初の国立美術館となる「国立工芸館」が、10月25日(日)に東京から石川県に移転・開館しました。10月24日(土)には金沢市出羽町の同館で開館記念式典が行われ、国・県・市の行政と美術関係者など約70名が移転オープンを祝いました。
東京の旧工芸館の所蔵品約3,900点のうち、石川には日本芸術院会員と人間国宝の約1,400点を含む約1,900点が移され、旧陸軍の建物を移築した2階建ての館内は3つの展示室に加え、「漆聖(しっせい)」と呼ばれた金沢市出身の漆芸家・松田権六(ごんろく)の仕事場も移設されています。「工芸王国」といわれる石川県に開館した「国立工芸館」、これから世界に向けて匠の技・感性を発信する拠点としての飛躍が楽しみです。
移転開館の第一幕を飾る特別展「工の芸術― 素材・わざ・風土」では、近代日本工芸の名作約130点が展示され、自然とともに育まれた技の美が紹介されています。展示は第1章:素材と技の因数分解、第2章:「自然」のイメージを更新する、第3章:風土 場所ともので展開。前期10月25日〜11月29日、後期12月1日〜1月11日で一部の作品で展示替えも予定されています。展示作品はスマホアプリを使って解説を見る、聞くこともでき、帰宅してからじっくりと作品の振り返りにも利用できます。
会場:国立工芸館
会期:2020年10月25日(日)〜2021年1月11日(月・祝) ※会期中一部展示替あり
開館時間: 9:30 〜17:30 ※入館時間は閉館30分前まで
休館日:月曜(ただし10月26日、11月23日、1月11日は開館)、11月24日、年末年始(12月28日~1月1日)
観覧料:一般500円 大学生300円
チケット: 新型コロナウイルス感染症予防対策のため事前予約制
坂下有紀(つきといと/コミュニケーションディレクター)
富山県氷見市出身。石川県金沢市を拠点に活動する編集者・ライター・プランナー。タウン誌の編集者、ワイナリーや酒蔵勤務を経てフリーランスに。金沢暮らしは2008年から。学芸員・利酒師の資格も持つ、旅と歴史とお酒好き。陶芸・吹きガラス・漆芸・木工・金工・和紙と、興味のある工芸は自分でも挑戦してみるタイプ(そこそこ器用です)。