五月女晴佳
- 展示
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五月女は、漆を素材に唇をモチーフにした作品を主に制作している。口紅が個性や美しさを表現しつつ唇を保護するように、漆も表面を飾り、保護する役割があると考えている。朱色の漆は、古くから食器や家具、建物に使われ、特別な場や祝いの場を象徴する色であったが、五月女にとって赤は血液の色であり「生」を表す色でもある。艶やかな赤い唇はセクシャルなアイコンとして見られるが、五月女はそれを人の欲望の根底にある生の象徴として捉えている。生という正と邪の両面の性質を、ウルシ木の血液とも言える漆を使って表現することに意味があると言う。