磯谷博史
- 展示
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写真の形式や物質をきっかけに、認識論的なテーマで作品を制作する磯谷の3つの代表的なシリーズを紹介する。1つ目は、写真をもとに「存在と不在」や「時間差」を映し出した作品である。日常のささやかな違和を撮り溜めた写真に手を加え、作品化している。2つ目は、縄文土器の破片を砕き、新しい土と1:1の割合で混ぜた陶土を磨き上げ、焼成した、球体の作品。3つ目は、蜂蜜と集魚灯が落とし込まれたガラスボトルをインスタレーションにした作品で、《花と蜂、透過する履歴》と題されている。蜂の時間、人の時間といった蓄積された時間が詰まった作品である。それぞれの作品がつくり出す存在論的な問いかけが、ゆっくりとした時間と共に鑑賞者に迫ってくる。磯谷ならではの世界が展開する。